【学生向け】経理職志望の学生が日商簿記2級を学部3年生までに取っておくべき3つの理由

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みなさんこんにちは。神奈川大学経営学部・准教授の尻無濱です。

最近、学生から就職や進学に関する相談を受けることが増えました。私の講義やゼミを取っている学生は、やはり経理職を目指す学生が多いようです。

いくつか相談を受ける中で、日商簿記2級の重要性に改めて気がつきました。

結論から言うと、経理職を目指す学生さんは、学部3年生までに日商簿記2級を取得しておいたほうがよいです。

なぜか?それは、①エントリーできる会社が増える、②日商簿記2級はあなたの本気を示すシグナルになる、③就活が始まってからの資格取得は遅い、という3つの理由からです。

以下で詳しく見ていきましょう。なお、ここで言う経理職には企業の経理・財務部門勤務や、税理士事務所・会計事務所勤務等が含まれます。

エントリーできる会社が増える

日商簿記2級を持っていると、単純にエントリーできる会社が増えます。

新卒経理職の求人の中には、日商簿記2級以上を持っていることを条件にしているケースがあるのです。

上場企業だと特に資格要件を定めていないこともありますが、会計事務所だと日商簿記2級をエントリーの条件としているところはそれなりにある印象です。

エントリーできる会社を増やすためにも、就活が始まる前にとっておきたいですね。

あなたの本気を示すシグナル

日商簿記2級は、取るのがそれなりに難しい資格です。

ほかの記事でも説明しましたが、日商簿記2級については合格率の低さ(統一試験の合格率は20%~30%。ひどいときは10%を切っています)、合格するまでに必要な勉強時間の長さ(初学者だと350~500時間)がよく知られています。ある程度の学習能力の高さ、勤勉さがないと取れなそうですね。

この資格を学生時代に時間をかけて取るのは、経理職を「本気で」志望している学生くらいでしょう。

日商簿記2級をとることで、企業側に経理職を目指すあなたの「本気」をわかりやすい形で示すことができますし、あなたの学習能力の高さ、勤勉さも示せるというわけです。

日商簿記を持っていない学生と比べるとここは明らかに差があります。「本気で経理職を目指しています!」という学生が簿記関連の資格を何も持っていないとしましょう。

その時、採用側はその学生が「本気で経理職を目指している」と判断するか?きっとそうは考えないでしょう。口先だけ、と捉えられるのが現実です。

就活が始まってからの資格取得は遅い

3年生の終わりごろから、本格的に就職活動が始まります。

そうなると、ゼミでの卒業論文執筆、残りの授業に加えて就活もこなさないといけなくなるので、非常に忙しくなります。

そんな中、就活と並行してまとまった時間を確保し、日商簿記2級を取るのは、けっこう難しい。資格試験のプレッシャーと就活のプレッシャーの両方があるのは、心理的にもきついでしょう。

簿記2級をエントリー時に求めるような求人にそもそも応募できないという問題もあります。

就活で忙しくなる前、余裕がある3年生までに勉強時間を確保し、日商簿記2級を取得しておくことをおススメします。

まとめ

繰り返しますが、経理職を目指す学生さんは、学部3年生までに日商簿記2級を取得しておいたほうがよいです。

①エントリーできる会社が増える、②日商簿記2級はあなたの本気を示すシグナルになる、③就活が始まってからの資格取得は遅い、という3つの理由があるからです。

もちろん試験は水物。3年生までにしっかり準備してきたけれど、問題が難しい回にあたって、なかなか合格ができないということもあるでしょう。

それでもしっかり準備をして試験を受けていれば、就活時に「日商簿記検定にチャレンジした」ことは話せるでしょうし、面接官に会計の話を振られてもまったく答えられないということもなくなるでしょう。勉強したことは無駄にはなりません。

本気で経理職を目指している学生さんは、早いうちに日商簿記2級にチャレンジしてみてください。

なお、日商簿記2級については独学者向けに優れたテキストが数多く出版されています。『スッキリわかる日商簿記』シリーズや、『みんなが欲しかった簿記の教科書』シリーズ、『検定簿記講義』シリーズなどが私のおススメです。テキストにはあう・あわないがあるので、サンプルを読むなどして内容を確認し、自分に合ったものを選んでください。

大学の講義だと、簿記系の講義を取れば資格取得にもいきる内容を学ぶことができると思います。神奈川大学の経営学部だと、簿記原理中級簿記なんかがよいでしょう。

ただ、大学の場合は受講生の中に資格取得に興味がない人も多いので、授業内容も簿記の資格取得に特化した内容とは限りません。むしろ、ビジネスマンとして働くために知っていおいてほしい簿記の原理原則を教えるような内容になっていることのほうが多いでしょう(私はそういう講義をしていました)。資格取得を目指すなら、独学者向けの書籍を読んだり資格予備校に通ったりするのがよいでしょう。

例えば大手資格予備校は簿記受験用コースを提供しています。大原簿記2級のコースをWebオンデマンド形式や通学形式で提供していますね。教室で簿記を勉強したいという人は通学コースがいいんじゃないでしょうか。Webより対面の方が集中できるという人は一定数いますしね。

最近だと、CPA会計学院無料の簿記講座をオンデマンドで提供しています。Webオンデマンドでもペースを保って勉強できるという人は、コスパの観点からはこの講座が優れていると思うので、活用してみるとよいでしょう。

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