【学生向け】管理会計を体系的に勉強するには!?学生におすすめの管理会計本3選

書籍紹介

みなさんこんにちは。神奈川大学経営学部・准教授の尻無濱です。

管理会計の本はたくさん出版されているので、どれを読めばいいか迷っている学生さんもいるかと思います。

今回は、大学の授業等で管理会計導入的な内容は習い、もっと本格的に勉強したいと思った学部3・4年の学生さん向けのテキストを3つ紹介します。どの本も分厚いですが、管理会計を体系的・網羅的に勉強するにはよい書籍だと思います。

なお、今回紹介する3つは初めて管理会計を学ぶ人向けの教科書ではないので、その点はご注意ください。体系性・網羅性は優れていますが、初学者が読んですらすらわかるかというとそんなことはないです。どれもそれなりに難しいテキストです。

初めて管理会計を学ぶなら、ここで紹介した教科書よりもっと簡単で分かりやすいものから入ったほうがいいと思います。

①櫻井 通晴『管理会計〔第七版〕』同文館出版

櫻井 通晴先生の『管理会計〔第七版〕』は、日本語の教科書の中では、私のイチオシのものです。

900ページをこえる大部ですが、その分だけ扱うトピックも幅広く、説明も丁寧でわかりやすいです。

著者の櫻井先生が貪欲に新しい研究を読んでおられるようで、近年発表された研究成果も教科書に取り込まれています。

どれか一つをお勧めしろと言われたら、間違いなくこれですね。ただ、とにかく大部なので全編を読み切るのはかなり根気がいります。学生さんであれば、友人と勉強会を開いて読むとか、ゼミの先生に課外ゼミをやってもらうとかして読むと途中で挫折しないのでいいでしょう。

もちろん、気になった部分だけを詳しく読むというのでも全然OKだと思います。

②小林啓孝ほか『スタンダード管理会計(第2版)』東洋経済新報社

『スタンダード管理会計(第2版)』は、早稲田大学の教員4名による体系的・網羅的な管理会計のテキストです。

櫻井『管理会計』と比較すると分量は少なく本のサイズも小さめですが、それでも600ページをこえています。

櫻井本はちょっと肌に合わない、いくら何でも櫻井本は分厚すぎるのでもう少し薄いほうがいい…という人は、こちらを読んでみてはいかがでしょうか。スタンダードと銘打っているだけあって、管理会計のスタンダードの内容をきちんと網羅しています。

私も以前、ゼミのテキストとしてこの本を使ったことがあります。章によってはやや難解で学生だけで読みこなすのが難しい部分があるので、教員と一緒に読むのがよいテキストかなと思います。

なお、原価計算まわりの記述は次に紹介するテキストのほうが充実しているので、原価計算も同じテキストで勉強したい!という人にはこちらより次のテキストがおススメです。

③山本浩二ほか編『スタンダードテキスト管理会計論(第2版)』中央経済社

『スタンダードテキスト管理会計論(第2版)』もおススメです。こちらは様々な大学の著名な管理会計研究者がそれぞれの得意分野について分担して執筆したテキストです。

このテキストの特徴は、原価計算編と管理会計編の2部構成になっていることです。一つのテキストで両方学べるので、お得かもしれません。

また、ほかの管理会計のテキストでは扱われることが少ない政府・自治体・非営利組織の管理会計も扱っていることも特徴です。この分野に興味がある人は、このテキストが有力な選択肢になるでしょう。

こちらのテキストも以前ゼミの教科書に指定して輪読した経験があります。やはり章によっては学生がつまずくことがあり、教員の指導があったほうがスムーズに読めるテキストかなと思います。

そもそもこのテキスト、会計のプロフェッショナルを目指す人を対象にしているので、そんなに簡単なテキストではないんですよね。

まとめ+初学者向けの1冊

以上3冊が、学部3・4年生が体系的・網羅的に管理会計を勉強したいと思ったときに、私がおススメするテキストです。繰り返しになりますが、決して初学者向けではない点に注意してください。

初学者向けだと、私は『管理会計のエッセンス』をおススメしています。

米国の管理会計研究者であるジャンバルボ先生が執筆されたMBA学生を念頭に置いたテキストで、一見分厚いですが米国のテキストらしく基本的な内容を詳しく丁寧に説明しており、独学でも読みこなせるレベルだと思います。

私もゼミで使ったり、学部講義やMBA(筑波大学)の教科書として指定したりしました。Amazonの評判はなぜか悪いですが(笑)、学生からの声をきく限り、上記3冊よりはかなりわかりやすいようです。

研究者が書いたもの以外に、実務家の先生方が書かれたわかりやすい初学者向けテキストも多く出ています。『管理会計のエッセンス』が難しい場合は、そういう本から読んだほうがいいかもしれません。

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