【学生向け】どのような人が簿記2級をとるべきか?キャリアから考える3つのタイプ

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みなさんこんにちは。神奈川大学経営学部・准教授の尻無濱です。

私の講義を履修している学生から、「教授はどのような人が簿記2級の学習をするべきだと考えていますか?」という質問をもらいました。

日商簿記3級はコスパがいい資格なので、誰にとってもおススメできると思います。

一方で2級は3級よりかなり難しく、合格率も高くないので、誰にでもおススメできる…というわけではありません。

私が過去の経験からおススメできると考えるのは、以下の3つの職業のうちどれかを目指している人です。

①会計事務所・企業の経理部社員

会計事務所や企業の経理部で働くことになると、簿記3級はもちろん簿記2級まで入社前に取得するように求められることがあります。

どちらも決算書を作る側で働くわけですが(会計事務所は記帳代行業務があります)、決算書を作るためにはやはり簿記2級くらいの知識がないと、なかなか大変だと思います。仕事しながら勉強するのも大変なので、学生のうちにとっておくようにしましょう。

②金融機関勤務

金融機関で勤務する場合も、入社前や入社後すぐに簿記3級・2級を取るように会社から指示があるケースが多いようです。地銀に就職したゼミ生の何人かは、実際にそういう指示を受けていました。

金融機関勤務の場合、決算書を作るわけではないのですぐに仕事に役立つというわけではないでしょう。ただ、融資先の決算書を読む際の基礎知識にはなるので、中長期的な視点で考えると取っておいた方がよい資格だと思います。

③経営コンサルタント

経営コンサルタントを目指している学生から、「就職先から簿記2級を取るように指示があった」という話を聞いたことはないです。ただ、業務に活用できる知識になるので、簿記2級くらいまではとっておくとよいでしょう。

特に中小企業の経営立て直し等を担当する場合には、決算書を読める能力や、原価計算・管理会計の基礎的な知識が必要になってきます。簿記2級には工業簿記の内容が入ってくるため、製品原価計算やCVP分析、直接原価計算等の経営立て直しに直結する内容も学べます。

同じような内容は中小企業診断士という資格を取る際にも学べますが、そちらはさらにハードルが高い難関資格のため、簿記2級ぐらいから始めるのがよいと思います。

おすすめ書籍等

以上の3つの職業につくなら、簿記2級まで取っておいて損はないと思います。

他にも、一部の公務員(国税専門官など)、証券アナリスト、会計システム企業への就職などを目指す場合にも簿記2級の知識は活きるでしょう。個別株投資をしたい、という場合も、2級まで取れば決算書を読む際に困ることがかなり減るので、取っておいてもよいかと思います。

なお、独学者向けに私がおススメする書籍は以下の3つです。参考にしてください。

①みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級シリーズ

②スッキリわかる 日商簿記2級シリーズ

③検定簿記講義/2級シリーズ

簿記2級は結構難しいので、独学でとるのは大変かもしれません。大学の簿記系の講義、資格予備校の講義等を活用する、一緒に勉強する仲間を見つける、すでに合格した友達に教えてもらうなどの工夫をするとよいでしょう。

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