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管理会計研究会@熊本学園大学(2019年1月28日)

管理会計研究会を、熊本学園大学で開催します。熊本学園大学の吉川晃史先生、小笠原亨先生、それから尻無濱の3人が主催する研究会です。

2019年1月28日(月)15時~17時30分まで、私の研究報告と、慶應義塾大学の木村太一先生・村上裕太郎先生の共同研究、合計2本の報告があります。私は自治体病院のマネジメント・コントロール・システムの実態を自治体病院経営者に対するインタビューに基づいて報告します。木村先生たちは研究方法的にはアナリティカルだそうです。研究会後は懇親会も行います。

興味・関心のある会計研究者(教員・大学院生)は、ぜひお越しください。連絡は私までよろしくお願いします。

ロジスティック回帰:標準誤差が異常に大きい場合の対処

手元のデータでRのglm関数を使ってロジスティック回帰分析をしていたところ、以下のようなエラーが出た。

Warning message:
glm.fit: 数値的に 0 か 1 である確率が生じました

summary関数で結果を表示することはできるのだが、切片やいくつかの変数の標準誤差が異常に大きい。数千もの値になっている。これは何か問題があると思って調べたところ、完全分離(complete separation)が起きている場合にこのような計算結果が表示されることが分かった。完全分離とは、「独立変数と従属変数のクロス表において度数がゼロのセルが存在する」(林他 2017, p.225)ことを指す。このような場合、「対数オッズがプラスまたはマイナス無限大になってしまい、反復計算の過程で最終的な解に収束していかない」(林他 2017, p.225)ことが知られている。林他(2017)によると、偏回帰係数や標準誤差が異常に大きな値になっている場合に完全分離が生じている可能性が高いという。実際、手元のデータでクロス集計をしてみたところ、完全分離が生じていることを確認できた。どうも、小標本でめったに起きない事象を扱っている場合に、このような完全分離が起きやすくなるようだ。

このような場合の対処方法として、精確ロジスティック回帰(exact logistic regression)とFirthの方法によるバイアスを修正したロジスティック回帰(Firth’s bias-reduced logistic regression; 以下、Firthの方法)が提案されている。それぞれの詳しい内容については、以下の記事が参考になる。

Rであれば、精確ロジスティック回帰はelrmパッケージのelrm関数で実行でき、Firthの方法はlogistfパッケージのlogistf関数を使えば実行できる。精確ロジスティック回帰は下準備が面倒なので、今回はlogistf関数を使って分析を実行することにした。logistf関数を使ったFirthの方法は、help関数で調べてみると簡単に実行できることがわかる。help関数で使い方を調べた時に表示される内容と同じものが書かれているwebサイトを以下に示す。

logistfパッケージは、Heinz氏が作成したものである。この方は、Firthの方法を適用し完全分離の問題を解決する方法を提案したHeinze and Schemper (2001, 2002)の著者の一人である。アヤシイ人が作ったパッケージではないし、安心して使っていいだろう。

会計学研究での利用についてだが、Firthの方法を使った論文としては、Wen et al. (2017) がある。中国の学生が公認会計士と企業内の会計担当者のどちらを選ぶかというキャリア選択をする際に、どのような要因がその選択に影響を与えるかを定量的に分析した論文である。この論文では、いわゆるロバストネス・チェックのような形でFirthの方法で分析した結果が示されている(p. 136)。彼らは偏回帰係数、標準誤差、χ二乗値、p値を示しており、モデル全体の有意性の検定として尤度比検定の結果を掲載している。多重共線性関係の指標としては、トレランスおよびVIFを示している。論文でFirthの方法を活用する場合には、彼らの報告の仕方を参考にするとよいだろう。

実際に手元のデータを使ってFirthの方法を実行してみたところ、問題は解決された。統計学に詳しい人にとって、このような対処法は当たり前に知っていることなのだろうが、私のように統計学に明るくない人が同じ問題に引っかかることもあるだろう。なのでブログに書いて共有しておく。

 

小ネタ:Bluetoothペアリングにミスった時のリカバリー方法

研究ネタではないのだが、また同じ状況にはまりそうな気がするので、備忘録として書いておく。

Bluetoothのペアリングの接続に失敗すると、PINコードがPC側に表示されなくなる場合がある。その時は、接続したい機器(例えばキーボード)が要求するのと同じ桁数の適当な数字をPC側のPINコード入力欄に打ち込む。その後すぐに、機器側で同じ番号を入力すると、ペアリングが成功する。

例:キーボード(PINコード4桁)の場合

  1. PC側のBluetooth追加から接続したいキーボードを選択
  2. PINコードを要求されるので、4桁の適当な数字を入力し、「接続」をクリック
  3. すぐにキーボード側で全く同じ数字を入力してEnterキーを押す
  4. 接続完了!

機器が要求するPINコードが6桁なら、6桁の数字を入力すればいい。なぜこれでうまくいくかはよくわからないが、PINコードが表示されなくなってもこれで解決できる。

 

非営利組織研究の海外学術雑誌リスト

非営利組織研究の学術雑誌のリストがHarvard Kennedy School、University of Michigan、それからWikipediaのNonprofit Studiesの記事に掲載されている。

Harvard Kennedy Schoolのリスト(individual journals)

University of Michiganのリスト

WikipediaのNonprofit Studiesの記事

これら3つのリストを見ると、やはり非営利組織研究ではNonprofit Voluntary Sector Quarterly(NVSQ)、Nonprofit  Management & Leadership(NML)、そしてVOLUNTASが重要なジャーナルとして位置づけられているようだ。

そのほかの重要なジャーナルとしては、International Journal of Nonprofit and Voluntary Sector Marketing、Journal of Nonprofit & Public Sector Marketingなどが非営利組織マーケティングで重要らしい。

Public Administration Review(PAR)なんかの公共経営系の雑誌はどういう扱いなのだろうか。ぼちぼち引用されている気がするが。

 

介護経営関連のwebサイト・調査リスト(研究者向け)

介護経営関連のwebサイト・調査のリスト(研究者向け)です。興味・関心のある人はご活用ください。他に有用なサイト・調査があれば、ぜひコメント欄に書いてください。

厚労省による調査

  • 介護サービス情報公表システム
    • 全国の介護サービスに関する情報を都道府県別に公表している。サービスの細かい内容や人員体制から、運営法人の情報、運営状況まで詳細な情報が提供されている。尻無濱がそのうちwebスクレイピングをして、利用しやすい形にまとめて公開する予定
  • 介護サービス施設・事業所調査
    • 厚労省によって毎年実施されている、介護施設・事業所を対象とした調査。介護サービスごとの数、提供体制、サービス内容などを都道府県ごと、年次ごとに把握できる。個票を見ることができればとても便利だが、個票は公開されていない。csvファイルがe-Statにある。

その他のwebサイト・調査

  • 社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム
    • 2017年6月から稼働した社会福祉法人の財務諸表等電子開示システムのサイト。まだ多くの社会福祉法人では現況報告書や財務諸表の開示が行われていないが、いずれ充実してくるだろう。

 

Rスクリプト表示テスト

Rのスクリプトがきちんと表示されるか、試してみます。プラグインはCrayon Syntax Highlighterを使います。

 

無事に表示できましたね。そのうち、自分のメモがてら、分析用のコードの断片をアップロードしていこうと思います。